空も山も風も

yahooブログから引っ越しました。

東京の雪の条件

 今年は暖冬で、東京ではまだ初雪が降っていない。東京での積雪は、微妙な条件が重ならないと起こらない。

条件1.南岸低気圧のコース
 1月から3月にかけて、東シナ海から日本の南海上が暖気と寒気の境界となり、南岸低気圧が発生し、発達しながら関東の南海上を通過する。
・中心が太平洋側の陸上を通過するケース (雨コース)
 降水域に入るが、地上は暖気が流入して雨になる
八丈島鳥島の間のコース (ジャストコース)
 寒気と暖気が拮抗し、強い降水域が関東平野にかかる
鳥島より南のコース (おじぎ型)
 寒気が強く、降水域があまり関東平野にかからない
 なお、日本海と南海上に低気圧が発生する場合(二つ玉低気圧)は、寒気が日本海側の低気圧に遮断されて、雨になることが多い。

条件2.上空の寒気
 850hPa(上空約1,500m付近)の気温マイナス6℃、925hPa(上空約700m付近)の気温0℃以下
 丹沢山(1567m) 3時間おき、筑波山(868 m)10分おき、館野 高層気象台(9時、21時)で確認できる

条件3 地上の気温と湿度
 地上の気温が0度なら雪になるが、2,3度でも湿度が低いと、雪が雨滴にならずに水蒸気に昇華して熱を奪うため、地上まで融けずに落ちてきやすくなる。
 降雨前の地上気温、降雨の開始が昼間か夜間かの微妙な条件の違いが、雨と雪を分ける。

 上空の寒気が条件2を満たし、南岸低気圧が条件1の「八丈島鳥島の間のコース」で急発達すると、北よりの風で地上気温が条件3まで下がり、大雪になることがある。 

参考文献
東京管区気象台ホームページ
東京における気象の記録
http://www.tokyo-jma.go.jp/sub_index/kiroku/kiroku/top.html
近年の東京(大手町)の降雪日
http://www.tokyo-jma.go.jp/sub_index/kiroku/kiroku/data/63.htm

奈良地方気象台 気象歳時記
雪を降らせる気圧配置(その2) ・・・南岸低気圧って何?・・・
http://www.osaka-jma.go.jp/nara/knowledge/snow/snow4.htm
雪による災害事例
http://www.osaka-jma.go.jp/nara/kishou/jirei/snow.htm

わくわく天気S’
http://www5e.biglobe.ne.jp/~tooriame/wakuwaku.htm
南岸低気圧
http://www5e.biglobe.ne.jp/~tooriame/wakuwaku1.htm