渋谷 ムルギー

　渋谷駅から帰るときはいつもバスに乗りますが、区役所通り（公園通り）に面した店は、すぐに変わってしまいます。流行を追い続けるとすぐに飽きられて、また目新しさを追求する繰り返し。そんな街に創業昭和２６年のカレー店のムルギーがあります。
　ハチ公前から道玄坂を上っていき、右手に渋谷百件軒（ひゃっけんだな）のアーケードを入り、すぐ裏は円山町なんでちょっと怪しい店もありますが、気にせずに角を左折すると、レンガ色の店が見えてきます。ちなみに高級住宅地の松涛も近くです。
　店内は、机や椅子、壁が茶色で落ち着いた雰囲気です、玉子入りムルギー（当店おすすめ）（1,000円）を注文、昼前だったのですぐに運ばれてきました。
　まずは見た目で、エベレストをかたどった三角のご飯と、油が浮いた濃い色のカレーにゆで玉子の輪切りが並んで、なぜかケチャップがかかっています。昭和20年代の人が憧れた遠い国の食べ物という雰囲気です。
　カレーは苦味があり、本格インド料理に慣れると、ちょっとスパイスに物足りなさを感じますが、今のように豊かではなく、色々なスパイスがなかった時代に工夫した味であることが想像されます。ムルギーとは、鶏の意味で、鶏挽肉に良く味がなじんでいます。わきに、口直しの甘いチャツネが添えられています。
　初代は引退して、今は女性が味を引き継いでいるので、いつまでも昭和の味を伝えてほしい店です。

百軒店商店会
http://www.hyakkendana.jp/

ムルギー
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